Contents | 一般的によく知られているシールドされた部屋として、病院のMRI(磁気断層装置)室があります。このMRI室は、電磁波を発生する装置を使い、人間の断面をモニタ画面で見て、検査する部屋です。
もし、この部屋をシールドしていなければ、心臓にペースメーカを埋め込んだ患者が、部屋の近くを通過したとき、MRIはペースメーカを狂わせ、患者を死にいたらしめる危険があります。
また、逆に外部からの電磁波の影響により、不正確な断層映像が映し出されることもあります。
このように、電波・磁気の影響を軽減する壁材及び施工方法で構築された部屋をシールド室と言います。
また、最近関心が高まっている盗聴の中に電磁波の傍受があります。これを防ぐのにもシールド室が必要になります。
シールドを必要とする施設
以下のような施設にシールドが必要となります。
■影響を受ける施設
コンピュータ室(電磁波シールド性能」:コンピュータ室内 40~60dB 20M~1GHz)
■電波障害:外部からの電波により計算機システムの誤動作や、誤差増大などの性能低下をおこします。
■テンペスト:社外秘のコンピュータ情報が外部者の意図的な電磁波傍受により漏洩します。
■磁気障害:外部からの磁界により記憶情報が破壊したり、CRT画面の揺れ、ゆがみ、色ずれが生じます。
■電子顕微鏡を導入する部屋(室内の変動磁界、交流磁界を2mG以下)
■高倍率または低加速電圧の使用頻度増大により、磁界変動の影響を受けやすくなっています。この磁気 障害により、良好な写真、正確な判断ができないことがあります。
磁界変動の主な要因としては、変動磁界と交流磁界があります。
変動磁界には、
・電車の起電線や近辺に設置された直流ケーブルから発生する電流からの磁界
・電車自体、自動車、エレベータなどの鉄製物体(着磁されている)の移動で発生する磁界
交流磁界には、
・送電線近辺および設置場所近辺に存在する電気設備、ケーブルから発生する交流磁界
電子顕微鏡は大学、研究所、半導体関連施設に導入されています。
■電子機器の検査室
電子機器の検査では、微弱電波の測定を行います。この微弱電波は、外部からの電磁波の影響を受けると 正確に測定できなくなります。
自動車会社、電気メーカーなどが検査室を持っています。
■影響を与える施設
電気室・送電線・変電所
トランス、ケーブルなどから交流磁界が発生し、下記の障害を発生します。
・パソコン、モニタ画面の揺れを生じます
・人体への影響があります
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