Contents | 顧客の資産を有料で預かる業務が貸金庫業務です。顧客の資産が入った貸金庫は金庫室内に設置されます。貸金庫自体はプライバシーを確保できる程度の容器であり、セキュリティの強度を有していません。従って、貸金庫のセキュリティ強度は貸金庫室の物理的な強度に依存します。
貸金庫は顧客の資産を預かるので、詐欺や内部犯罪及び盗難発生時の保証問題という脅威があります。
[脅 威]
■事例1. ユナイテド・カリフォルニア銀行、ラグナ・ニギュエル支店。1972年。
貸金庫室天井が爆破され、推定500~800万ドルの金品が奪われた。外壁の警音ベルは発泡ポリウレタン樹脂で密封され、警察直通の警報回線は端子盤で短絡されていた。犯人一味は偶然 に逮捕され、被害品の一部は回収されたが、顧客との多種多様な過失賠償責任裁判は数年間にわたって銀行を悩ました。
■事例2. ソシエテ・ジェネラルのニース支店およびサンルイ島支店。1976年。
同一犯人と思われる一味が下水道本管を経由し、地下を掘り進み地下貸金庫室に侵入。金庫扉を裏面から溶接しておいて貸金庫の大多数を荒らした。
■事例3. T銀行芦屋支店の貸金庫から750万円相当の宝石が蒸発。ミステリーと騒がれたが女子行員が 開きっ放しの鍵庫から封印された予備キーを盗み出し、ひそかに貸金庫を開いたと自供。
もし、上記のような犯罪が起きた場合の顧客への保証問題、社会的信用の失墜などを考えると、金庫室を破られること以上に深刻な問題となるため、貸金庫室は、金庫室以上のセキュリティが必要です。
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