Contents | 現在のコンピュータ社会では、あらゆるデータを磁気メディアに記録保存するようになってきました。
当然この磁気メディアに記録された目に見えないデータの永続性や再現性について関心が高まっています。もし磁気メディアの取扱いを誤ったり、間違った保管方法や災害により保管されていたデータが再現不可能ということになると、一時的な不便さだけでなく、企業にとって大混乱をおこすことになります。通産省では、「情報システム安全対策基準」(平成8年)を策定し(設備基準)(技術基準)(運用基準)の三基準を設けて指導しています。大蔵省では、「金融機関等コンピュータシステムの安全対策基準」(平成3年)を策定し、金融機関にその活用を促しています。
火災時の熱からデータを守る
・磁気データの限界温度は上表の通り65℃とされており、保管室の提案をする場合は、一次壁と二次壁を合わせて通常の火災時に裏面温度が65℃以下になるように耐火性能を考えます。さらに、防盗性についても、考慮する必要があります。
・保管庫の耐火性能を確保するには、壁ばかりでは無く、扉やダクト開口、空気層等総合的に判断しなければなりません。
データ保管室の出入口扉は下記の条件を満たす必要があります。
・出入口には、金庫扉又は書庫扉を設置し、データ保管室に耐火性能および防盗性能を持たせる
・出入口には、内扉を設け、自動閉鎖か火災時に随時閉鎖できる機構とする
・内扉は、締め付け装置があり気密を確保できるようにする
・出入口には、入退管理を行うための扉を設け、施解錠できる機構とする
・災害時、扉は内側から容易に開放できるようにする
出入口扉に関するJQA基準
“出入口扉は甲種防火戸以上の強度を持つものとする”とされており、データ保管室の日常の運用では少なくとも甲種防火戸で常時しめて施錠されていなければならないとされている。
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